半側空間無視と食事について

半側空間無視とは?

半側空間無視とは損傷大脳半球と反対側の刺激に気がついたり、反応したり、その方向に向いたりすることが障害される病態です。

右半球の損傷で左半側空間無視が高頻度にみられ、重症度も大きいと言われています。

方向性注意機能には半球差があり、右半球は左右の空間性注意を司っているため、右半球の損傷で、左半側空間無視が強くみられるようになるという仮説があります。

責任病巣は頭頂葉といわれており、近年は頭頂連合野と前頭連合野とを繋ぐ神経線維である上縦束(SLF)も半側空間無視と強い関わりがあるとも言われています。

 

半側空間無視と食事

半側空間無視をもつとADLに大きな影響を及ぼします。

食事もその中の一つです。

食事場面において、片側ばかりを向く、片側の食べ物を残す、食べこぼしが多いなど、観察されることがあります。



半側空間無視には自己中心座標や物体中心座標に問題があらわれるといわれています。食事場面で自己中心座標に問題がある方はトレーの半側を見落とす事があります。物体中心座標に問題がある方はトレーの上に置かれた茶碗の半側を見落とす事があります。

自己中心座標に問題があるのか?物体中心座標に問題があるのか?評価しその人にあったアプローチを行う必要があります。



食事場面でのリハビリテーション

〇半側空間無視を改善する

・障害された機能を再構成する訓練を実施する



〇感覚刺激を利用する

・視覚・聴覚・体性感覚など様々な感覚を利用する



〇環境調整や代償を使った方法

・トレーに目印をつけるなど手がかりを与える。使用物品の検討



〇家族指導

・家族に対する障害の理解への支援



食事と食事動作のリハビリテーション

摂食嚥下の過程について

先行期では①意識②空腹感や食欲③食べ物の認識④摂食更衣のプログラミング⑤食べ物の取り込み動作⑥姿勢制御などがあります。

先行期では食べ物を口まで運搬する動作と食べ物を認識することがあります。運搬する動作については、問題点が目につきやすくセラピストがプログラムを立てやすいものだと感じます。



同じ様に重要なのが食べ物を食べ物と認識するという事です。

好きな食べ物を見た時と嫌いな食べ物を見た時では食欲に大きな違いが出ると思います。

大脳皮質の働きによって食欲がわいてくるからです。また、嚥下反射も大脳皮質からの影響を受けます。

このように、まず食べ物を認識するという事は食欲や嚥下に大きな関係があります。



食事をするという事と、食事の訓練をするという事を分けて考える事も重要なことの一つです。

訓練として半側空間無視を持っている方へ無視側から食事介助を行うことは、食べ物を認識する事の難しいため、食欲がわきにくく嚥下反射が起こりにくくなるという事です。

食事を楽しむという点では、認識しやすい側から介助を行うという事が大切です。


投稿日:2016-01-21 | Posted in OT通信No Comments » 

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