作業療法士が勉強会を選ぶポイントや注意点について

〇作業療法士向けの勉強会は少ない?
リハビリテーションに関する勉強会やセミナーを探していると圧倒的に理学療法士向けのものが多いことに気付きます。作業療法士や言語聴覚士の講演や勉強会は意外と少ないです。講師の先生も理学療法士が最も多く、日常生活動作や嚥下などの講演も理学療法士の先生が務めている場合もよくあります。 作業療法士は基本的には作業に焦点を当て治療・指導、援助を行う専門職です。そのため日常生活動作へのアプローチ方法も理学療法士とは切り口やアプローチは異なります。これは別に理学療法士を否定しているわけではないです。作業療法士が行う機能回復訓練は、作業に焦点を当てるため行います。「作業」についての理解があるのは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の3職種の中でも作業療法士だけです。そのため、作業療法士が勉強会やセミナーを受ける時には作業療法士の先生から話を聞くほうが良いでしょう。

◯作業療法士は毎年どんどん増えている
作業療法士の数はどんどん増えていっており人口は爆発的に増加しています。人口増加の一番の要因は養成校の増加だと思います。国家試験合格率は2000年以前90%を優に超えていましたが、ここ数年は70%から85%まで落ちています。

※作業療法士国家試験受験者数と合格率

受験者数 合格者数 合格率
第37回(2002年) 2854人 2587人 90.6% 第46回(2011年) 5824人 4138人 71.1% 第47回(2012年) 5821人 4637人 79.7% 第48回(2013年) 5279人 4079人 77.3% 第49回(2014年) 5474人 4740人 86.6%

養成校が爆発的に増えたことで学生のレベルが落ちていると言われていますが、原因はそれ以外にもあります。10年前に比べて学習する内容も大きく変わり、国家試験の問題も難しくなっています。
恐らく作業療法人口が増えすぎないように試験内容を難しくし、調整しているのだと思います。
しかし、それでも作業療法士の数が増えています。急激に増えたことで若手とベテランの割合が大きく崩れました。
そこで新人教育の部分で問題が生じています。2000年以前は病院に新たに入職する理学療法士や作業療法士は数名でした。少ないところでは1名程度のところもあり、新人1人を現場の作業療法士が指導できるので手厚い教育も可能でした。
現在は療法士人口も爆発的に増えているので新人が一気に10名上入職する病院も少なくはありません。
そうなると新人教育もなかなか手厚くすることができずに、学習に新人一人一人の自主性が問われるようになっています。そうなるとセラピストの中でも優秀な人とそうでない人の格差が生まれやすくなってしまいます。現在の保険制度では作業療法士の技術や知識が優れていても給料に影響はありません。
よっぽどのことがない限り解雇されることもないでしょう。しかし、今後人口が増え続けると作業療法士の中でも選ばれる、職場を解雇される時代がくるかもしれません。
そうならないためにも若いうちから勉強して技術や知識をつける必要があるかと思います。

◯作業療法士になってからの勉強はどうすれば良いのか?

作業療法士の学生は、教科書を読んで解剖学や生理学などを学びます。
また基礎作業学や運動学など幅広い分野の勉強をします。学生時代の勉強はすごく重要であり、作業療法士になるための土台作りのようなものです。家で例えると家を建てるための土地の整備をしているようなイメージです。土地がしっかりしていないと、その上にどんな良い家や頑丈な家を建ててもすぐに崩れてしまいます。

そのため、まずはしっかりと基礎を学ぶことが重要であり、学生時代の勉強がそれにあたるのです。では、国家試験に合格し作業療法士になってからはどのような勉強をすれば良いのでしょうか? どのような勉強をすれば良いのか?についての問いに関しては答えがないものだと思います。
それは勉強しなければならないことが多すぎるからです。また作業療法が学問の階層性においても上位にありすごく抽象的なのも影響しています。まずは作業について理解する必要があるかと思います。作業について知りたいのなら「作業科学」について学ぶと良いかと思います。

作業について、作業療法の歴史などから作業とは何なのかを深く知る機会となります。その他にも上肢の運動麻痺や肩関節の機能解剖などについても学ぶ必要があるかと思います。作業療法士が最も対象とするクライエントが脳卒中患者だからです。作業についてだけ詳しくても基礎的な部分が欠けていると良い療法士とは言えません。
一気に全てのことは学べませんので、1つ1つ学んでいくしかありません。まずは、自分が今困っている事について学んでいってもいいかと思います。
勉強するには参考書で学ぶ、先輩や同僚に聞くなどがあります。また最近では動画やSNSで情報収集する方もいるみたいです。SNSなどは不確かな情報も多いためあまり鵜呑みにしすぎない方がいいかと思います。作業療法士が何かを学びたいときに、最も多いのが勉強会に参加することではないでしょうか?

◯作業療法士の勉強会はどうやって探すと良いのか?
作業療法士向け勉強会の探し方はいくつかあります。
1. 協会ホームページから探す。
2. PTOTSTネットから探す
3. 病院にくるFAXやチラシから探す
以上の3つが作業療法士の勉強会やセミナーを探す方法です。各都道府県の協会ホームページには研修会情報や講習会情報などが掲載されているのでそこから情報を収集する方法があります。
こちらは価格も安価なものが多く、研修会の時間が短いのが特徴です。無料のセミナーや研修もあるので勉強にお金をかけたくない人にはおすすめです。
PTOTSTネットとは作業療法士や理学療法士などのセミナー情報が掲載されている掲示板です。民間団体のセミナー情報も多いので選択肢は協会ホームページより格段に増えます。選択肢が多くなるのはメリットになる反面、怪しいセミナーや講習会もあるので注意が必要です。また、価格は高額なセミナーも多いのが特徴です。相場は1日で1万円前後ですが、高いものだと2、3万円の研修会もあります。セミナーの内容だけでなく講師の先生などの情報もしっかりと確認して受講するようにしましょう。
病院には研修会の団体からチラシやFAXが届きます。そこからセミナー情報を収集する方法もあります。病院に届いた場合は同僚や先輩を誘いやすいので、一人で行くのが不安な人は誘ってみるのも良いと思います。団体によってはペア割りがあり、2人以上での申し込みで受講料が割引されるのでお得です。

リハガクは作業療法士に特化した勉強会団体です!
リハガクは作業療法士が運営している勉強会団体であり、講演している先生も作業療法士が多いのが特徴です。受講生の7割以上は作業療法士です。
開催セミナーの講師が作業療法士である割合も9割以上であり他の団体との最も違いだと思います。そのため作業療法士の先生が聞きたい内容の勉強会やセミナーを多く開催しています。セミナーの開催時間は1日のものが多く受講料は6000円~9800円と相場よりは少し安めの設定となっています。
全セミナーでペア割りを適応しているので友達や先輩を誘ってくるとお得です。
セミナーのラインナップも作業について、認知症、ADL,上肢運動麻痺、肩関節など幅広いので臨床の悩みを解決するきっかけになると思います。


投稿日:2018-09-18 | Posted in OT通信No Comments » 

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