現役作業療法士が腰痛の原因や治し方、対策について詳しく説明します。

腰痛の治し方-作業療法士が教える本当の腰痛の治し方

腰痛の治し方

ぎっくり腰ってどうしてなるの?ぎっくり腰になる原因や対策を徹底解説

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この記事を読まれている人の中にはぎっくり腰になったことがあるという方も非常に多いのではないかと思います。重いものを持ち上げた時やくしゃみをした時など、ふとした瞬間に腰にぎくっと痛みが走り、1週間から長い人で何か月も腰痛を伴うとても厄介な症状です。

ぎっくり腰は昔、西洋の方では「魔女の一撃」と呼ばれていました。不意に腰の部分にぎくっと音がしたかのように痛みが走り、動けなくなってしまうためこのように呼ばれていたようです。日本の医療機関ではぎっくり腰という呼び方ではなく、急性腰痛症と呼ばれています。

そもそもぎっくり腰の原因は何なのでしょうか?ここではぎっくり腰の原因から日常でできる対策、ぎっくり腰予防の運動までを身体のプロである作業療法士が徹底解説していきます。

ぎっくり腰の原因は

なぜ、ぎっくり腰になってしまうのでしょうか?以下にその原因を解説していきます。

普段の悪い姿勢が習慣化されると、身体を安定させるための筋肉であるコアマッスルの働きが弱くなり、逆に身体に動きを与えるための筋肉であるアウターマッスルが姿勢を安定させるために無理をし続ける結果となってしまいます。このアンバランスな状態が続くことで、腰の部分にどんどん疲労が蓄積していきます。疲労が蓄積すれば、腰部周辺を司る筋肉は血液循環が悪くなり、痛みが発生しやすい状態となります。腰がこのような状態になると、普段ならなんてことがない荷物を持ち上げる時やくしゃみをしただけでも瞬間的に腰部に強烈な痛みが発生し、いわゆるぎっくり腰の症状を発生してしまうのです。

以上のことから、ぎっくり腰の原因は

1、悪い姿勢による腰部周辺筋のアンバランス

2、荷物を持つ際などに急激に腰部に負担がかかること

が挙げられます。

ぎっくり腰にならないようにするためには、腰の硬くなった筋肉を柔らかくすることや、姿勢を安定させる筋肉であるコアマッスルを鍛えること、寝起きの方法や、荷物を持つ際の正しいフォームを身に付けることが必要になってきます。

ぎっくり腰になった時には...

ぎっくり腰になった時には安静にしておくことが大切です。腰部では筋肉の急な炎症が発生しているため、腰を急激に伸ばしたり、ひねったりすると炎症を助長してしまう場合があるので得策とは言えません。すぐに痛みがひく方法は存在しませんので、落ち着いて冷静に対処することが必要となってきます。

痛みが発生している筋肉は炎症が起こっているため、熱感や発赤、ひどい場合には患部が腫れる場合もあります。適切な対処法としては患部にアイシングを施すことや冷湿布を貼るなどの方法が推奨されています。

ぎっくり腰にならないために予防していくことが非常に大切になってきます。

ぎっくり腰の予防法

ここからはぎっくり腰の予防法について1つ1つ解説していきます。

ぎっくり腰の原因から考えられる予防法として、

○腰部周辺筋のストレッチ

○コアマッスルのトレーニング

○日常生活動作の見直し

○荷物を持つ際のフォームの改善

が挙げられます。どの方法も特別な器具は必要としませんし、心がけ1つでできる対策ですので是非試してみて下さい。

○腰部周辺筋のストレッチ

ストレッチを行うことは硬くなった筋肉の柔軟性を高めるという点において非常に効果的です。緩めたい筋肉に的確に狙いを絞ることで、より高い効果を得ることが期待できます。ここではぎっくり腰に関わる筋肉のストレッチを紹介していきます。

<脊柱起立筋のストレッチ>

1、四つ這いの姿勢をとります。

2、背中を丸めながら、後ろの方向に腰を落とし30秒間キープします。

3、それを3セット繰り返します。

◎ぎっくり腰になるような悪い状態の場合、脊柱起立筋は緊張が高く、硬い状態となっています。このストレッチを行うことで、筋肉の柔軟性を高め、痛みを発生しにくい状態へと導いてくれます。

<骨盤の高さを整えるストレッチ>

1、仰向けの状態で右手を万歳するように挙上します。

2、右足は下方に伸ばし、身体の側面が伸びた状態で10秒間キープします。

3、反対側も同様に行い。3セット繰り返します。

◎このストレッチを行うことで、身体の側面を構成する組織を伸ばすことができます。このストレッチは骨盤の左右の高さを整える効果もあるため、骨盤のズレからくる腰痛や姿勢の矯正に効果があります。

○コアマッスルのトレーニング

人間の腹部を構成するコアマッスルは前方の腹横筋、後方の多裂筋、上方の横隔膜、下方の骨盤底筋群で構成されています。この4つの筋肉がユニットとして同時に働くことで腹圧を高め、腰部の安定性を高めてくれます。この4つの筋肉をバランスよく鍛えることがぎっくり腰の予防に非常に効果的です。

<足を滑らせて行う腹筋運動>

1、仰向けになり片方の足の膝と股関節を曲げ床からかかとが浮いた状態でキープします。

2、もう片方の足のかかとを床に滑らせながら伸ばす・曲げるをゆっくり繰り返します。

3、10回行ったら、反対も足も同様に行います。

4、これを2~3セット繰り返します。

◎このトレーニングを行うことで腹部前面から側面を構成する腹横筋を鍛える事ができます。下腹部も同時に鍛えることができるため、歩行などの安定性も高めることができます。

<殿筋収縮運動>

1、うつ伏せになり、お腹の下に丸めたバスタオルを入れます。

2、足を伸ばしお尻の上の部分を締めるように力を入れます。

3、その状態で30秒間キープします。

4、それを3~5回程繰り返します。

◎臀部の筋肉に力を入れることで、連動して腹横筋・骨盤底筋群の収縮を促すことができます。この運動は腰椎の回旋のズレを正し、姿勢を整える効果もあります。

<腹式呼吸>

1、仰向けに寝ます。

2、鼻から息を吸って、口からゆっくり吐くを10回繰り返します。(吸う際にはお腹が膨らむ、吐く際にはお腹が凹むことを意識します。)

◎この運動を行うことで、横隔膜の働きを高める事ができます。深呼吸は副交感神経の働きを高め、身体をリラックスした状態へ導いてくれる作用もあります。

○日常生活動作の見直し

眠るときの姿勢や起き上がりの方法などの日常生活動作を見直すことで、ぎっくり腰発生の予防に繋がります。ちょっとした動作でも毎日続けるものなので悪い習慣は正しておく必要があります。

<就寝姿勢をとる際のポイント>

ぎっくり腰にならないためには就寝中に適度な寝返りを打ち、同一姿勢で寝続けないことが必要になります。同一姿勢で眠り続けると、身体の同じ箇所に負担がかかり続けるため、筋緊張のアンバランスが生じ、ぎっくり腰の発生にも悪影響を及ぼします。

人間は眠っている際に寝返りを打ちます。理想的な回数は20回前後と言われています。身体に合わない寝具を使っていれば、寝返りの回数が極端に多くなったり、少なくなったりと安定せず、眠っている際にリラックスすることができません。身体に合った寝具を選ぶことはぎっくり腰の予防という観点からも重要になってきます。

そこで、おすすめしたいのが高反発マットレスになります。高反発マットレスは文字通り反発力が高いため、眠っている際の自然な寝返りをサポートしてくれます。逆に低反発マットレスであれば、身体の沈み込みが強すぎて寝返りが打ちにくいというデメリットがあります。腰痛対策として販売されているモットンや雲のやすらぎは、寝返りのサポートだけでなく、体圧分散にも優れているため、眠っている際に腰痛が悪化するということはありません。

腰痛にいいマットレスの選び方はこちら

<寝起きの動作のポイント>

朝起きて、動き出す際にみなさんはどのような動作を行っているでしょうか?無意識で行っている方がほとんどだと思いますので、自分がどんな起き方をいているか分からない方も多いのではないでしょうか?

起き方を少し工夫するだけでも、ぎっくり腰の発生は抑えることができます。非常に簡単な方法なので、一度試してみて下さい。

1、寝返りを打ち、側臥位の姿勢となります。

2、腕でベッドを押す力を利用し起き上がります。

起き上がる際に腹筋の力で起き上がってしまっては、腰部に負荷が大きくかかってしまうだけでなく、骨盤の左右の高さのズレにもつながってしまいます。

写真のように腕の力を使って起き上がることで腰への負担が少なく起き上がる事ができます。

<荷物を持つ際のフォームの改善>

ぎっくり腰は荷物を持つ際に発症することが非常に多いです。正しい荷物の持ち上げ方を身に付けておくことでぎっくり腰の発生率はグンと低下します。

この写真のように荷物を身体から遠いところで持ち上げようとすると腰に強い負荷がかかってしまうためぎっくり腰の発生率が高まってしまいます。

この写真のように荷物にできるだけ近づき、しっかりと腰を落とすことで、腰の筋力ではなく、比較的強いとされている下半身の筋力で荷物を持ち上げることができます。

この方法に変えるだけでぎっくり腰の発生率はグンと下げることができるでしょう。

まとめ

○ぎっくり腰は急性腰椎症と呼ばれる腰の筋肉の炎症である。

○腰部の筋肉のアンバランスがぎっくり腰の原因となっている。

○ぎっくり腰になった際には、安静とアイシングが効果的である。

○ぎっくり腰にならないために予防していくことが最も重要である。

○予防法としては、腰部周辺筋のストレッチ、コアマッスルトレーニング、日常生活動作の見直し、荷物を持つ際のフォームの改善などがある。

ここまでぎっくり腰についての原因やなった時の対策、ぎっくり腰にならないための予防法について解説してきました。ぎっくり腰になってしまった場合は安静やアイシングなどできることが限られているため、日々ならないように予防していくことが最も重要です。紹介した予防法はどれも簡単ですぐに始めることができますので、1度試してみてはいかがでしょうか?

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