現役作業療法士が腰痛の原因や治し方、対策について詳しく説明します。

腰痛の治し方-作業療法士が教える本当の腰痛の治し方

生涯で成人の約80%が腰痛を経験すると言われており、そのうち1/3は1~5ヶ月以内に緩解、残りの2/3は6ヶ月以上は症状が継続するとされており、慢性化するリスクが高いことがわかります。厚生労働省の報告においても、国民有訴率では男性の第1位が腰痛、女性の第2位が腰痛となっています。

腰痛診断ガイドライン2012によると、腰痛患者のうち約15%が特異的腰痛(原因が特定できる腰痛)、約85%が非特異的腰痛(原因が特定できない腰痛)に分けられています。

驚くべきことに約85%の腰痛の原因は特定できないものとされています。

つまり、全日本人のうちの50%以上が原因のわからない慢性的な腰痛に悩まされているという事です。

当サイト腰痛の治し方ドットコム】では現役の20代作業療法士が腰痛になってしまう原因と対策を詳しく解説し、一人一人に合った腰痛の治し方を提案します。

腰痛の種類と治し方について

腰痛の原因について

 

特異的腰痛(原因が特定できる腰痛)

・坐骨神経痛

・椎間板ヘルニア

・脊柱管狭窄症

・感染性脊椎炎

・がんの脊椎転移

・大動脈瘤

・尿路結石などの内臓疾患

非特異的腰痛(原因が特定できない腰痛・慢性化しやすい)

・ぎっくり腰

・慢性腰痛

など腰痛にも様々な種類があります。 それぞれの腰痛の種類別に治し方が違ってきますので、まずは腰痛の種類を特定する事が腰痛を治すための第一歩です。

腰痛の原因

 特異的腰痛の原因

特異的腰痛は比較的原因がはっきりしていることが多いのが特徴で、例えば椎間板ヘルニアは腰椎の椎骨と椎骨の間でクッションの役割を果たしているゲル状の軟骨が変性し、組織の一部が飛び出すことで、その飛び出した椎間板の一部が周囲にある神経を圧迫し腰や足に激しい痛みやしびれなどの症状を引き起こします。

脊柱管狭窄症や尿路結石などのその他特異的腰痛にもそれぞれ原因が特定できるものがほとんどで、それらの原因を潰す事で腰痛が改善する事がほとんどです。

なので特異的腰痛を治したい場合は原因をまずは特定し、症状に合った治療やリハビリを行う事が腰痛を治す近道となります。

非特異的用腰痛の原因

しかし、腰痛の85%を占める非特異的腰痛は原因がはっきりと分からないものが多く

  • 悪い姿勢
  • 運動不足
  • 加齢
  • 肥満
  • ストレス、うつ
  • 身体に合わないマットレス・枕

などが影響していると言われています。 これらは長年の習慣としてジワジワと腰を痛めつけているので、すぐに改善できるものではなく、腰痛が慢性化しやすい原因となっています。

ストレスやうつなどメンタルに問題がある場合も非特異的腰痛の原因になることがある事を知らない人も多いのではないでしょうか。

ストレスと腰痛の関係性についてはこちらのページを参考にしてください。

また、意外に一般の方が知らないことは、柔らかすぎるマットレスなどの寝具も腰痛の原因になるという事です。柔らかすぎる寝具は寝返りがうちにくいだけでなく、寝ている際に身体が沈み込みすぎて部分的に身体にかかるストレスが強くなり腰痛の原因になることがあるのです。 腰痛にいいマットレスだと思って高いマットレスを買ってみたは良いものの、逆にヒドくなったなんてのは良く聞く話です。

ぎっくり腰は椎間板を代表する腰を構成する組織のケガであり、医療機関では腰椎捻挫、又は、腰部挫傷と診断されます。海外ではその症状の特徴から「魔女の一撃」と呼ばれているのだそうです。

このように腰痛にはいくつものパターンや原因があるので自身がどのタイプの腰痛で原因が何かを特定することは重要であるという事が言えるでしょう。

種類別、原因別の腰痛の治し方について

特異的腰痛の治し方と治療方法について

特異的腰痛に分類される椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など坐骨神経痛を伴う疾患に対しては基本的にはまず保存的治療が選択されます。

保存的治療の内容としては、薬物療法、硬膜外ブロックや仙骨ブロック・神経根ブロックなどのブロック注射、温熱療法や牽引治療などの物理療法、リハビリセラピストによる運動療法があります。あまりに症状が重篤な場合や運動麻痺が進む場合などは手術療法が選択され、ヘルニア摘出術や除圧術・固定術など様々な手術方法が選択されています。

この辺りは一度病院で診てもらって症状を診断してもらってください。 接骨院に行ったりしても絶対治りませんから。

非特異的腰痛の原因と治し方について

非特異的腰痛の場合には原因に合わせて様々な治し方があります。

・姿勢が悪いのが原因の場合

当たり前ですが、良い姿勢で日々生活を送ることが非常に重要になってきます。

姿勢には大きく分けて、猫背タイプ、反り腰タイプ、フラットバックタイプ、スウェイバックタイプの4つのパターンがあると言われています。

猫背タイプは横から見ると頭が前に出ており、胸椎の後彎が非常に強くなっているのが特徴です。見た目にもすぐわかりますし将来腰が曲がる原因にもなってしまうので、腰痛が治る治らない問わずに改善したいところですね。 壁にかかとをつけて立った時に背中が壁に当たっているのに頭が壁に当たらない場合は猫背タイプとなります。

反り腰タイプは女性に多くみられる姿勢であり、横から見ると腰が反りポッコリとお腹が出ているのが特徴です。壁にかかとをつけて立った場合、通常腰と壁の隙間は手のひら1枚分程度が理想と言われているのに対し、反り腰タイプの場合は手がスカスカと入り2枚分以上のスペースがある場合は反り腰タイプとなります。

フラットバックタイプは脊柱の理想的なS字カーブが崩れ背骨がまっすぐになっているのが特徴です。壁にかかとをつけて立った場合、腰の隙間に手が全く入らない場合は背骨まっすぐのフラットバックタイプです。

スウェイバックタイプは横から見ると肋骨が後ろにずれているのが特徴です。壁にかかとをつけて立った場合、背中が壁に当たってもお尻が当たらない場合はスウェイバックタイプとなります。

これら4つのうち自分はどの姿勢タイプにあるのかという事をまず認識し、各タイプに合わせたストレッチや筋力トレーニングを行う事により腰痛改善を図っていきます。

ヨガやピラティス教室に通ったり、市販の姿勢矯正ベルトや補正下着を身に付ける事でも姿勢改善の効果は期待できます。

また、腰椎椎間板に圧力計を差し込み、各姿勢によってどの程度の圧力が加わるかを調べた実験で意外な事実が判明しました。

それは立っている時よりも座っている時の方が腰には負担がかかっている事です。座っている時は股関節が屈曲状態になることで腹筋が緩みます。すると上半身の重さや動きを支えるための負担が腰や背中にかかるためので腰痛になりやすいというメカニズムです。 

このように腰痛を緩和・予防するにあたって、日常生活での姿勢の良し悪しは症状を左右する重要な1つの指標であるという事が言えます。

「良い姿勢」というのは、身体を構成する骨や筋肉・靭帯などの軟部組織のいずれにも余分な負担がかからない状態のことを指します。良い姿勢を横から見ると、耳から肩-股関節の付け根-膝-くるぶしが一直線に配置されているため、関節や筋肉に余分な負担がかかりにくく腰痛になりにくい姿勢であるということが言えます。逆に悪い姿勢の代表としては上記にあげた通りです。

悪い姿勢を取り続けていくことで、腰痛を悪化させてしまう大きな要因となってしまうのです。

身体に合わないマットレスや枕などの寝具が原因の場合

人間は1日の約3分の1を睡眠時間に費やしており、その睡眠時間を良い姿勢で快適に過ごすことは腰痛改善にとって重要なポイントとなります。 仰向けに寝ている姿勢が一番腰への負担が少ないと言われています。

せっかく日中にストレッチやウォーキングなど腰痛改善に効果のあることを積極的に行えていたとしても、枕やマットレスなどの寝具が自分の身体に合っていなければ、眠っている最中に腰痛を悪化させてしまう可能性が非常に高くなります。 

要するに、マットレス次第で「寝ているだけで腰痛が悪化する可能性」があるという事です。

そこで、寝具を選ぶ際にどのようなポイントに注意すればよいかを紹介したいと思います。

腰痛にいいマットレスの選び方を詳しく知りたい人はコチラのページをご覧ください

腰痛対策で評判の高いモットンの詳細ページはコチラ

①寝返りをうちやすいもの選ぶ

同じ姿勢をとり続けることで筋肉は虚血状態になり痛みが発生しやすくなります。それは、最も腰への負担が少ないとされる眠っている時にも同じことが言えます。柔らかすぎるマットレスでは寝返りをうつ際の反発を得にくいため、必然的に寝返りを打つ回数は減少してしまいます。

結果的に同一姿勢で長時間眠ってしまうことになり、朝起きたら腰が痛いという症状に繋がります。低反発に比べて高反発マットレスの方がストレスなく寝返りをうつことに適しているという事が言えます。

②体圧を分散できるものを選ぶ

体圧分散とは体中に均等に圧力を分散する事です。

私たちの体はS字状であるため仰向けに寝た場合お尻の部分や肩甲骨の部分には強い圧がかかっています。ちなみに寝たきりの方の褥瘡の好発部位もこの圧が大きい部分となります。

つまり体圧分散がうまく行えないマットレスを使用して寝ているとお尻には強い圧がかかっている反面、腰部は地面から少し浮いた状態になり筋肉は緊張した状態となります。そのため体圧分散がうまく行えるマットレスを選ぶことが腰痛予防・改善には重要であると言えます。

③寝心地が良いものを選ぶ

意外に肌触りや眠っているときにリラックスできているかどうかは腰痛予防・改善に重要です。なぜならストレスと腰痛には深い関係があるからです。

寝心地が悪いマットレスで眠っていて夜中何度も目が覚めるなどの症状があると疲れが取れないだけでなく、何度も目覚めることをストレスに感じてしまいそれが結果的に腰痛の原因になることもあります。以上の理由からも寝心地の良いマットレスを選ぶことが重要になってきます。

上記の3つが腰痛の方がマットレス選びでぜひ気を付けてほしい部分になります。自分にあったマットレスを選ぶことで今後腰痛は寝ているときに治す時代になるのかもしれませんね。

運動不足・加齢・肥満・ストレスが原因の場合

運動不足が続くとカラダ全体の筋肉は衰えていきます。

それに伴って腰周辺の筋肉もやせ細り、血流も悪くなるため筋肉は硬くなります。その状態が続くことで腰周囲の関節可動域制限が発生し、無理して動かすと腰部周辺に痛みが発生してしまい、それが影響し体を動かすことがよけいにできなくなり、筋肉が衰えていくといった悪循環に入ってしまいます。その悪循環を断ち、腰痛を改善するためには毎日簡単にできる運動を続けることが効果的とされています。その中でもウォーキングはおすすめの運動の1つです。

ウォーキングの利点は、いつでもどこでも簡単にお金をかけずに始めることができる事です。腰痛改善以外にもダイエット効果や、りリフレッシュ効果など様々な効果を期待することができます。

ウォーキングを行う際のポイント

  • 視線は遠く、あごを引く
  • 肩の力を抜き、腕を前後に大きく振る
  • 背筋を伸ばして胸を張る
  • 踵から着地し、後ろ足で地面をける
  • 歩幅はなるべく広く取る
  • ダイエット効果を高めるため最低でも20分以上歩く。

以上のことに注意し、毎日コツコツ運動を行う事で腰痛の改善に効果があると言われています。

その他腰痛を治すために効果的なトレーニングとして、コアマッスルを鍛えることが挙げられます。

コアマッスルとは?

コアマッスルとは、身体の体幹部に存在する深層筋である「骨盤底筋群」「多裂筋」「腹横筋」「横隔膜」のことを指します。

この4つの筋肉が身体の中心に1つのユニットを構成しバランスよく協調的に働くことで動作時の体幹に安定性をもたらし、良い姿勢で生活することを支えてくれるのです。コアマッスルが弱いと姿勢が悪くなり、腰痛を患うというメカニズムです。

以下に初心者でも簡単に取り組むことのできるコアマッスルのトレーニングをいくつかご紹介します。

お腹引き締め体幹強化

両手を肩幅に開き、四つん這いの姿勢をとってください。

1.お腹に力を入れ、足を伸ばし手のひらで床を押し上げる。背中と床を平行にして15秒間キープする。

2.お腹に力を入れたまま、ゆっくりと元の姿勢に戻していく。

ポイントとしては、15秒間キープする間はお尻の筋肉(殿筋群に)意識を向け、その部分がしっかりと働くようにします。お尻の筋肉に収縮が入ることで連動してコアマッスルの働きを賦活することができます。

足を滑らせて行う腹筋運動

仰向けの状態で片足の膝関節を曲げ股関節を90°屈曲しキープし、

逆側の脚の踵を滑らせながらゆっくり8~10回股関節の曲げ伸ばしを行い、

それを交互に3セットずつ行ってください。

従来型の脚を固定し頭を持ち上げるいわゆる腹筋運動では、腹筋の中でも特に腹直筋を鍛えることはできますが、逆にコアマッスルを鍛えるにはあまり効果的であるとは言えません。上記で紹介した腹筋運動では、よりコアマッスルに特化したトレーニングを行う事ができます。

上記のような方法で毎日コツコツ運動を続けることでコアマッスルは効果的に鍛えることができます。姿勢を意識し正しいフォームでトレーニングを行う事でいわゆるスポーツジムで行う本格的なトレーニングに引けをとらない効果を発揮することができます。

これまでは腰痛の原因や姿勢の重要性、コアマッスルを鍛えるためのトレーニングについて書きましたが、腰痛を改善・予防するためにはその他に、就寝時の姿勢や環境・寝具にも気を使う必要があるのではないかと思います。個人差はありますが、人間は生きているうちの3分の1は眠っています。そのベッドの上で過ごす環境を整えることは腰痛を改善・予防するために非常に重要な事です。

◯腰痛を治すのに接骨院や整体は有効か?

腰痛でお悩みの方の中には地域の接骨院や評判の整体に通い、腰痛改善を目指した方も多くいるのではないでしょうか?その接骨院や整体がどのような治療を行うかで効果は様々ですが、基本的にただ痛んでいる個所をもみほぐしたり、低周波などを使ったマッサージをするだけでは一時的な効果は得られるものの、腰痛の根本改善には繋がりません。

姿勢の崩れが原因で腰痛を発症している場合、もみほぐしやマッサージなどの治療で姿勢の崩れは一時的には改善することはあっても、その姿勢を保持するための筋肉を鍛えることができなければ期間が経つとまた同じ個所に痛みが現れ接骨院に通うという事を繰り返さなければなりません。その場合、コストや時間などを無駄に消費してしまいます。気持ちの良さやリラックスが目的で通う分には問題ありませんが、本気で自分の腰痛と向き合うのであれば、その痛みの根本原因を理解し自ら生活習慣の見直しやトレーニングに積極的に取り組まなければなりません。

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